孤風院とは、1908(明治41)年に建てられた熊本高等工業学校(現 熊本大学工学部)の講堂が、1974(昭和49)年、建設からの経年と激化する学生運動への懸念を理由に取り壊しが決定されたことを受け、当時熊本大学の助教授であった建築家の木島安史(1937-1992年)により1975(昭和50)年に住宅兼アトリエとして阿蘇に移築・改修された木造建築である。氏の逝去から30年以上が経過し、これまでに氏の関係者や熊本大学によって補修などの様々な取り組みがなされてきた。現時点では個人で維持されているが、熊本地震を経て補助金を受け登録文化財の手続きが進められている。参加者の皆さんに孤風院を見学し、明治期の建築を継承することについて考えていただきたい。午後のトークセッションではこれまでの取り組みに関わってこられた方々にそれらの取り組みと課題についてお話いただき、孤風院のこれからについて考える。